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TRPG関連の妄想置き場
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 「No.007(ナンバーゼロゼロナナ)」
ずっと、“それ”が自分の名前だと思っていた。
白衣の研究者たちが呼ぶときの、番号が。

 研究所には、同じように番号で呼ばれる者が大勢いた。
何人かとは、たぶん仲間と呼べるような関係だったと思う。
僕らに施される“処理”で、所々記憶は霞み、仲間は一人一人と何処かへ行ってしまったけれど。
それでも、白くぼやけた思い出の中の顔を思い出せば、
殺伐とした任務の日々にも、少しだけ、懐かしさを感じた。

 最後にあった、あの日のこと。僕が、「No.007(ナンバーゼロゼロナナ)」であった最後の日のこと。
あの日を境に、彼らがどうなったのかはわからない。
覚えているのは、研究者たちの悔しそうな……あるいは恐怖の表情。
“実験”はお終いだと、そう呟いた時の表情だけだ。

 そして、僕は“番号”を剥ぎ取られ、今の名前を得た。
二つの丸と、Sept(セプト)というフランス語で7を表す言葉をもじっただけのそのままの名前だけれど。
人として――人間として、藤崎さんが授けてくれた名前だった。

 今では、僕をその時の“数字”で呼ぶものはいない。
だれど、僕の中には確かに“あの力”が宿っている。
この力が、一体なんのためにあるのかは、今は分からない。
けれど、藤崎さんは言ってくれた。「その力でお前のような奴を救うこともできる」、と。
僕にはまだわからないけれど…いつか藤崎さんのようになれる日が、くるのだろうか…。

 

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